クスリのハルナ

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「どうして妊娠しづらいの?」妊娠のメカニズムと不妊の原因

ご夫婦が赤ちゃんを欲しいと思い、避妊を行わず一般的な夫婦生活を行っているにもかかわらず、1年以上赤ちゃんを授かる事ができない状態を「不妊」と定義しています。
(※日本産婦人科学会は2015年8月29日に、この期間を2年から1年に短縮することを発表しました。)

いまや6組に1組が不妊に悩んでいるといわれています。
これは、日本で不妊の検査や治療を受けたことのあるご夫婦の数です。

まだ検査も治療も受けていないご夫婦で、「もしかして不妊?」という不安を抱いているのは、3組に1組だそうです。
(2010年 国立社会保障・人口問題研究所調べ )

悩んだり、苦しんだりしているのはあなただけではありません。

妊娠の成立までのプロセス

大まかにいうと、妊娠が成立するまでには、「排卵」、「射精」、「受精」、「着床」の4つのプロセスで成り立っています。この一連の現象が滞りなく進行する必要があります。

いいかえれば、不妊症は、このプロセスのどこかに障害が起こっているために、妊娠に至らない状態と考えられます。

  1. 卵巣内の「原始卵胞」が成熟します。(月経が始まるころには約20個の卵胞があります)
  2. その中でも1番成熟した大きな卵胞「主席卵胞」が1個だけ卵胞を突き破って、卵巣の外に飛び出します=「排卵」
  3. この卵子を卵管の先端「卵管采」で取り込まれ、卵管に送り込みます。=「卵捕獲(ピックアップ)」
  4. 膣内に「射精」された精子が、子宮頚管~子宮を泳ぎ上がって、卵管膨大部に達します。
    (1億の精子が膣内に射精されても、卵管膨大部にまで到達するのはわずか数十~数百といわれています)
  5. 卵管膨大部で「卵子」と「精子」が巡りあって、やがて両者が結合します。=「受精」
  6. こうしてできた「受精卵」は分裂・増殖しながら、卵管の中を子宮に向かって運搬されます。
  7. 子宮に到着した「受精卵」は「胚盤胞」になり、排卵から5~7日経ったころ、子宮内膜に絨毛をいう根を張ります。=「着床」
  8. 着床した「受精卵」は子宮内膜の血管から酸素や栄養を受け取り、卵割を繰り返して成長します。
    受精してから3週間後には「胎嚢」が超音波で見える大きさになり、5週間後には胎児の身長が約1cmくらいになります。

「卵子」も「精子」もわからないことだらけ。。。
「排卵」がおこっているかもわからない。。。
卵子がちゃんと卵管でキャッチできているのかもわからない。。。
「受精卵」ができているかもわからない。。。

「妊娠」のメカニズムは非常に複雑で、これだけ進歩を遂げている現在の医学でも完全に解明されている訳ではありません。「わからないことだらけ」だといいます。

命の誕生は本当に神秘です。

不妊原因の半分は男性側に

2010年にWHO(世界保険機関)が発表した不妊症の原因は、41%が女性側、24%が女性男性ともにあり、24%が男性側、11%が原因不明となっています。

かつては不妊というと、その原因は女性側にあるとの見方がされてきました。しかし、現在は不妊の原因の半分は男性側にあることが常識になっています。

男性不妊専門医のお話しでは「10人に1人は精子に問題を抱えている」とのこと。
精液中に精子が見当たらない「無精子証」も100人に1人と、決して少なくない数字です。

食生活や生活習慣、生活環境の変化から成人男性の精子が、年々減少しているという研究結果もでています。
ここ10数年の間で、WHOの基準値も年々引き下げられています。
WHOの国際調査によると、1998年から2011年の間で、男性の精子の数と運動率は全体で20%も下がっているといいます。

男性不妊の原因

男性不妊の原因は約90%が造精機能障害です。
造精機能障害とは精子をつくり出す機能自体に問題があり、精子をうまくつくれない状態です。

乏精子症
男性不妊の原因では一番多い症状です。
精液中の精子の数が少ない状態。世界的に増加傾向にあります。
精液1ml中、精子数が2000万以下をいい、500万以下になると、自然妊娠の可能性は顕著に低くなります。
自然妊娠には4000万以上が望ましいとされています。
「精検静脈瘤」が原因となっている場合があります。

無精子症
射精精液中に精子がいない状態です。
精子をつくる機能に問題がある「非閉塞性」のものと、精子が作られているのに通り道がふさがっている「閉塞性」のものがあります。

精子無力症
精液中に動いている精子の割合が50%を下回るものをいいます。乏精子症と重なって起こることも多く、そのままでは自然妊娠の可能性は低くなります。
乏精子症と同じように「精検静脈瘤」が原因となっていることもあります。

奇形精子症
正常な形をした精子が30%に満たないケースをいいます。受精が起こりにくいので、自然妊娠の可能性は低くなります。

精検静脈瘤
陰嚢内に静脈瘤ができて、腹部の温かい血液が精巣に逆流して精子の質を悪くします。
自覚症状が少なく、自分では気がつかないことも多い。
手術後に精液所見の改善がみられるケースも多いとのこと。

男性側の原因で妊娠しづらくなっているのに、体質改善も治療も女性だけががんばっているというケースも多く見受けられます。
これでは、女性だけが身体的にも精神的にもつらい思いをして、大切な時間だけが過ぎていくということになりかねません。

どんなに「いい卵子」でも「元気な精子」でも、どちらか一方だけでは、妊娠はできません。
「赤ちゃんがほしい」と望むなら、身体づくりはもちろん、検査、治療を受けるにしても「おふたりが揃って」が基本です。

食習慣、生活習慣の改善など、おふたり揃っての身体づくりのアドバイスをしています。

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